○■ハイン 地の果ての祭典: 南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死■
2017-09-12


・母権制および女たちのハイン崩壊の神話 22
・最初のハインと父権制の起源の神話 28
・ハインの秘密 29
II セルクナムの社会 35
・かつての暮らし 36
・なぜ滅びたのか 44
・慣習としてのハイン 47
III 三人の中心人物 51
・テネネスク 53
・ハリミンク 59
・グシンデ 63
IV ハイン 83
・身体彩色の技巧―日常生活用とハインの「精霊」用 84
・女子の成人儀礼 89
・ハインの精霊たちと登場の場面 112
(ショールト/オルム 命を呼びもどす者/ハイラン 淫らで不快な道化師/ハシェとワクス 騒動を起こす者/ワアシュ・ヘウワン 目に見えぬ狐/サルペン 扇情的な場面:死と出産の場面:古代母権制の長、「月」の象徴としてのサルペン/クテルネン サルペンの赤ん坊/ハラハチェス 角のある道化師/マタン バレエダンサー/コシュメンク 寝とられ亭主/クラン ひどい女/ウレン 優雅ないたずら者/タヌ 謎の精霊)
・遊戯、踊りとその他の儀式 187
(タヌの主催になる若い恋人たちの遊戯/男と女が競う遊戯/クルプシュ、あるいはペンギンの踊り/いわゆる「ヘビ踊り」/男根の儀式/好天をもたらす儀式/アシカの物真似/ケワニクスの行進/女性限定(女たちが通過儀礼を風刺する/母親たちが息子の真似をして遊ぶ))
・最後の仮説―秘密は誰のものだったのか 229
V その後のこと 233
原注 248
文献一覧 259
献辞 262
図版出典一覧 263
解説 264
訳者あとがき 270
ハインの詠唱の曲目一覧 vi
索引 i

「本書をお読みいただく前に」の冒頭部分


  著者アン・チャップマンにはティエラ・デル・フエゴ(フエゴ諸島)の先住民に関する複数の著書があるが、本書はそのうちの一部族、セルクナム族の祭典ハインについて書かれたものだ。冒頭からこの祭典と背景にある神話の詳細な話に入っていき、わかりにくく感じられるかもしれないので、本書と一部重複する内容もあるが、ティエラ・デル・フエゴの風土、そこに生きたセルクナム族らの先住民、彼らと西洋人との接触などについて簡単に概説しておきたい。

「はじめに」の冒頭部分


  両親ともにセルクナムだった最後の者は一九九九年に亡くなったが(V章参照)、セルクナム族(オナ族という名でも知られる)の子孫は、まだティエラ・デル・フエゴのアルゼンチン領に住んでいる。彼らにとって先祖からの伝統は切っても切り離せないものだ。この本が彼らと、ハインの祭典の偉大なる文化的・芸術的創造性を認める人びとの役に立つことを願っている。

書評


伝統文化の記憶を持つセルクナムの最後の人びとと交流し、記録を残し、生涯を通じてその文化の研究と紹介に取り組んだ著者が、残された記録やセルクナムの末裔たちの話などから儀式「ハイン」の様子を復元


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